地下水中の硝酸性窒素濃度が平面的に大きくばらつく主な要因として、①土地利用分布や農地における肥培管理のばらつき、②流線ごとに異なる脱窒スポットによる濃度低下の影響、③広範囲の濃度のばらつきが狭い流出域に収束する流れ場構造、④地下水流出時に通過する薄い堆積物や井戸壁で生じる局所的脱窒、を挙げた。窒素は、他の一般水質成分に比べると反応場の不均質性が大きく、小さい反応場により大きく濃度が変化することに加え、流れ場における横方向の小さい分散が狭い領域における大きな濃度のばらつきに寄与していることを示した。