ウィスコンシン州マディソン市にある3つの湧水群においてメートルスケールにおける水質調査をおこなった。各湧水群における主要陰イオンの平均濃度は、各流域の土地利用の影響を強く反映し、単一の湧出域内における主要陰イオン(都市流域における塩素イオン、農業流域における硝酸性窒素イオン)の濃度分布には数mの距離間でも大きなばらつき(塩素イオンで平均値の27.4%、硝酸イオンで平均値の39.9%の標準偏差)が認められた。流域の水文地質と土地利用から、観測されたイオン濃度のばらつきは、異なる涵養域から地中に入った溶質が混ざることなく収束して同じ湧水群内に湧出しているためと推定された。