千葉県旭市沿岸部における津波の地下水利用への影響について地震2ヶ月後に住民への聞き取り(67件)と水質測定(50地点)による調査をおこなった。津波直後、揚水ポンプの流失等により地下水利用が一時的に困難となったが、井戸本体に破損があったのは3本のみで井戸は地上構造物に比べ地震や津波に強く、適当な揚水方法さえ確保しておけば地震直後から地下水利用が可能であったと推定された。津波を被ったほとんどの井戸で電気伝導度が1000μS/cmを超え、海水の混入が広範囲に認められた。海水は地表面からのシート状に浸透すると同時に井戸構造を伝っても地下に浸透したと推定された。