本論では,WH-the hell表現をaggressively non-D-linkedであるとするPesetsky (1987)による分析を批判的に検討した。Pesetskyの例にagressively D-linked WH表現を伴うものがあるが,それにthe hellを加えても容認可能性が落ちないことから,WH-the hell表現はD-linkedでありうるとし,同表現の特性はaggressionであるとした。また,Pesetskyの観察とは反対にwhichとthe hellが共起できる例をした,さらに,the hellを伴わないWH表現がWH-the hell表現と同じ振る舞いを示す環境を示した。