本論考では,Den Dikken and Ginnakidou (2002)の,what the hellなどのWH-the hell句をanyなどの極性項目としてとらえる分析を経験的観点から批判した。その際に,anyを明示的に含むwhat if anythingなどの疑問表現を用いた。WH-the hell句には,whichと共起できない,元位置に残留できない,などの制限があるが,極性項目を伴うWH-if anyにはそのような制限がないことを示し,前者を極性項目として扱うことには問題があると論じた。