Some Notes on the Behavior of Ittai WH-Phrases
本論考では,「いったい」付きのWH句の統語的振る舞いを扱った。「いったい」WH句は,元位置に留まることができない,WH島を越えての主節スコープをとれないなど,英語のWH-the hell句とほぼ同じように振る舞う。しかし,前者は,後者が常に強い島の効果を示すのに対して,かき混ぜによってWH島の内部から外に出ることが可能である。この「いったい」WH句の特異性を,「いったい」が焦点素性を持っていることと,英語にはなく日本語にあるかきまぜがコストを伴わないことにより導き出されると論じた。
千葉商大紀要
第43巻第1号