統計が語る都市生活・流通
近世においてわが国の多くの城下町は、全国中央市場すなわち、江戸、大坂、京都との交易を通して地方都市の中枢として発展をみた。本稿は全国中央市場を、天下の台所といわれた大坂を舞台にし、史料を大坂市史に求めた。そして関東の干鰯、関西の木棉・綿産地等との交易を通して、原料出荷型の東北日本、加工品出荷型の西南日本に分類し、その対比を通して、流通面から近世都市の社会史を考察した。
名著出版,菊池万雄編「近世都市の社会史」所収