第一次大戦前におけるアメリカ電機工業の集中と大銀行(一)
本論文は、19世紀末以降のアメリカ電機工業が、市場面で鉄道業と深く結びつきながら発展した産業だったこと、また鉄道金融をめぐる大銀行と鉄道会社との関係が、そこに極めて濃厚に投影されたことを明らかにしようとしたものである。特に、20世紀初頭までには、数パーセントの大規模事業所が全米の60パーセントの生産と雇用労働者を抱えるほど集中が進展し2大メーカーを生んだこと、また鉄道用電動機と発電機・信号機・車両照明装置など鉄道向け製品からなる鉄道用機器類が生産品目で最重要の地位にあったことを強調している。
千葉商大論叢
第19巻第1号