第一次大戦とアメリカ軍需電力動員政策の生成・展開
第一次大戦による軍需産業の拡大で電力需要が飛躍的に高まったため、アメリカ政府では、戦時産業局の中に電力のセクションを設け、電力動員を開始した。連邦政府資金の投入は特にTVAの先行事例となる注目すべき政策である。本論文は、こうした政策の経緯を明らかにするとともに、政策の対象となった主要電力会社にどのような影響を及ぼしたかを考察している。そしてこの時期以降の電力業の急速な拡張が、鉄道業に代わる金融市場の最大の資金需要者として同業界を押し上げた点を強調している。
一橋大学一橋研究編集委員会『一橋研究』
通巻42号