本論文は、ジェネラル・エレクトリック(GE)社など米系大手電機会社が第一次大戦後に展開した対外進出のうち、英国への進出を考察したものである。分析に際しては、特に、電機と電力の産業上の関連に注目すべきことを強調している。19世紀末から20世紀の初めにかけて鉄道との関連を深くしてきた電機工業は、鉄道業の衰退、電力業の興隆を受け、電力業との市場面での繋がりを強め、その製品シェア拡大のためにも電力業に大規模な投資を行った。こうした国内の競争力強化の手法はそのまま、対外進出でも踏襲されることとなったのである。