三井銀行外国為替部門の経営史的考察(1913-31年)
経営史学会
本発表は、内部資料の研究者への公開が進んだ後も、なお研究が手薄のままであった外国為替銀行の活動を、三井銀行の視点から分析し、外国部門創設の意図、業務機構面の特色、三井物産などを中心とする貿易商社との取引の実態、銀行経営全体から見た外国部門の位置付けと資金配分上の優先度の移り変わりなどについて明らかにしようとしたものである。同行の外国為替部門についての研究は、ドル買い事件と金解禁・金再禁止の関連に集中してきた観があるが、本発表はこの事件にも言及し、営業活動全体の中で考察すべきことを力説している。