本稿は、国内外における経済的特性と同時期の企業倒産動向及び特徴を要約するとともに、中小企業がめざす「革新のための創造的破壊」への挑戦について考察したものである。かつて経済学者、シュンペーターは、企業が持続的成長を遂げるためには、将来の経済環境の変化を睨んで、経営学的視点でいえば組織、生産・流通、金融という経営機能のあり方を常に組み替え、活力ある状態に保つことの必要性を唱えた。革新のためのスクラップ・アンド・ビルドの考え方である。それを創造的破壊と表現した。経済のグローバル化が進む中で、わが国の大企業、中小企業を問わず、それは現在、日本経済を構成する企業に求められている行動指針といえる。