本稿は、デフレ時期2005年に実施した「中小企業の経営再建・活性化に関する実態調査」:『経営再建・事業活性化-マニュアル-』(財団法人企業共済協会,2005年3月)をもとに2次分析を行い、業績不振の企業がデフレ不況から脱却するための諸条件を探ることにある。分析の結果、組織、生産・流通、金融および再建全体に重要と思われるリスク対応に共通項をみいだすことができた。それは、いずれのリスク対応も「自律成長」への強い経営努力が見てとれることである。すなわち、自助努力でリスクを克服しようとする「自律的経営行動」といえる。 不況からの脱却は、中小企業がアグレッシブな「自律的経営行動」を継続し、成果物の付加価値を高める努力を常に怠らないことが、不況脱却への大きな要因と考えられる。