Johns Manville Corporation(マンビル社)は、こんにち、ヨーロッパや中国にも進出する米国を代表する建築資材の製造・販売企業である。同社は、アスベストによる膨大な数の損害賠償訴訟に直面し、1982年8月、チャプター・イレブンの申請で、事実上倒産したが、88年には更生計画を完了して再生を果たした。本稿では、同社の倒産とその再生に至るまでの経営、財務政策の軌跡をたどることによって、企業評価分析の視点から、米国倒産企業における倒産と再生に至るための本質的な条件を実証的に解明した。