企業倒産と企業再生
資本固定化は量的成長志向の中に死角となって潜んでいる。それは、景気が良好で、需要が順調に伸びるているときには、さほど問題とならない。だが、ひとたび景気が悪化し、需要が減退して収益性に翳りが生じたとき、資本固定化は企業財務に強力なマイナス要因として作用しはじめる。企業が倒産から再生を果たすには、まず、資本の固定化を解除し、資本の再編成を図ることが重要となる。本稿では、資本固定化の視点から企業評価分析を試み、整理・体系化し、資本固定化理論の精緻化と実証分析を試みた。
商事法務研究会「Credit & Law」
No.114