本稿では、1つに、倒産企業と非倒産企業の財務データを比較・検討し、倒産企業の財務的特性を解明し、2つに、多変量判別解析の統計手法を援用して、企業評価分析における財務的側面から倒産予測モデルを開発し、倒産予測を試みた。倒産企業は、倒産時期が接近するほど、収益性指標が悪化し、それに伴って安全性指標も低下する傾向が認められた。多変量判別式による倒産予測能力は、売上高営業利益率、当座比率、自己資本比率、総資本回転率を含む4変量判別式が優れていた。なお、本稿は日本経営学会での発表をまとめたものである。 共著者名:今光廣一・土屋守章・片山伍一・占部都美・島弘・島袋嘉晶・長谷川廣・谷田庄三・小松陽一・越後征二・山田保・北村健之助・森正紀・小田章・村松司叙・平田光弘・狩俣正雄・白樫三四郎・加藤茂夫・加護野忠男・小林規威・影山僖一・浪江巌・井上宏・稲村毅・小松章・芝隆史・寺東寛治・中井節雄・得津一郎・福田平八郎・濱村章 担当部分:「企業倒産予測の実証分析」(p.129~140)