役員給与の損金不算入額に関する歴史的な流れとしては、2006年を境に大きく変化をしている。2006年以前は、役務提供か利益処分に該当するかの判断により損金算入が可能かどうかの判断が行われてきた。しかしながら、2006年の税制改正により、①定期同額給与、②事前確定届出給与及び③業績連動給与に該当するものが損金算入でそれ以外が損金不算入になる大きな変化を遂げた。
この中で、業績連動給与は、日本再興戦略やコーポレートガバナンス・コードに、企業価値を向上する上で、役員に対する中長期的なインセンティブ報酬を重要視している。
今まで経営者の恣意性の排除や課税の公平性の観点から税制改正が行われてきたが、近年では、損金になるインセンティブ報酬の範囲を拡大している。今後は、コーポレートガバナンス・コードなどの社会情勢の変化も考慮に入れた改正がなされると考えられる。