「プラットフォーム企業と課税」

本稿では、プラットフォーム企業による活動拠点（PE）を必要としないビジネスモデルから生じる租税回避を防止し、市場国が課税する仕組みについて検討している。プラットフォーム企業のビジネスモデルの特徴は、ネット上でプラットフォームを活用してビジネスを展開するため市場国にPEをおく必要がないことである。そのため、従来の国際課税原則「PEなければ課税なし」に基づけば、ビジネスが行われ所得が生じているのにも関わらず、市場国では課税ができないことになる。そのような状況のなか、英仏伊ではOECDの決定を待つことなく、デジタル財を対象とする個別消費税、迂回利益税、デジタルビジネス税が導入され、市場国として独自に課税が試みられている。また、EU及び英仏はデジタルサービス税の導入に向けて動いている。OECDもまたパブリック・コンサルテーション・ドキュメントやOECD事務局提案を公表するなど、市場国における課税について積極的な動きをみせている。

千葉商科大学国府台学会『千葉商大論叢』第57巻 第3号