「ローマの元首政について―モムゼンのDyarchie-Theorie(二員政論)をめぐる近時の学説から―」
19世紀ドイツの偉大な法学者かつ歴史家モムゼンの「二員政論」をめぐる議論を、本稿では、これまでわが国では紹介の少なかった特に1970年代以降の比較的新しい学説の状況から見直した。すなわち、彼への批判の系譜のなかで獲得したものと、現在も依然として残る問題点を整理し、没後100年を経た現在、特にローマの国家制度、とりわけ元首政期の国制のとらえ方として彼の理論がなお有効であるのかその意義を再検討したものである。
地研年報(第13号):三重短期大学地域問題総合調査研究所