1999年改訂の高等学校学習指導要領における共通教科情報科では,「情報C」においてコミュニケーション力を重要な指導内容として取り上げている。しかし,そこではコミュニケーション力を「コンピュータを効果的に活用する能力」を養うための手段として位置付けている。次期改訂に当たっては,コミュニケーション力を手段として位置付けることから,効果的なコミュニケーションを行うための能力を養うこと,つまりコミュニケーション力を指導の目的と位置付けることが必要である。こうした認識に立って,高等学校学習指導要領改訂によって顕在化するコミュニケーション力の指導の在り方の変化としての「手段と目的の転換」について,高度に情報化された社会が求める能力・態度と関連付けながら発表した。