藩儒下川三省の登用にみる小城藩漢学教育の端緒
本稿は、幕府・諸藩の教育体制が未だ確立されていなかった江戸前期、肥前小城藩が、第二代藩主鍋島直能の主導により、他藩に先駆けて漢学教育に力を入れ、いかに藩士に儒学の知識と中国の言語を学ばせ、漢学教育を行っていたかを実証的に解明したものである。下級藩士の子である下川三省は、藩主鍋島直能の命令と援護の下、中国知識人朱舜水について生きた漢語と儒学を学び、やがて藩儒に登用され、小城藩漢学教育の基礎を築いた。
「千葉商大紀要」(千葉商科大学国府台学会)
第52巻第1号