『現代金融と信用理論』本人担当部分:「『バブル』と中央銀行」執筆者他29名
バブル発生・拡大の原因について、中央銀行の金融緩和政策にその淵源を求める見解は多い。しかし、1980年代後半のわが国のバブルは、86年1月からの金融緩和政策が始まる以前に、すでに83・4年頃から都心3区の商業地の地価急騰という形をとって始まっていた。一体バブルの発生・拡大と中央銀行の金融緩和政策とはどのようにかかわっていたのだろうか?拙稿は通貨当局のバブル経済に対するかかわりと責務について検討すると同時に、あわせてバブル発生の金融メカニズムとその論理を考察している。
大月書店