植田祐次編「十八世紀フランス文学を学ぶ人のために」
フランスの心理主義的あるいは写実主義的文学の伝統の中で、異色ともいえる文学ジャンルのさきがけであるジャック・カゾット作『恋する悪魔』を分析、解説したものである。理性と進歩を信奉する啓蒙哲学にたいし、王政とキリスト教を養護し、神秘主義的なオカルト哲学を説いたカゾットの主張を読み解いている。(第二章第三節 悪魔の化身か、啓蒙哲学の代弁者か---元祖幻想小説 ジャック・カゾット『恋する悪魔』)
世界思想社